研究題目:
朝鮮語実践的発話能力育成をめざしたマルチメディア教材の研究開発
研究者:
井草真喜子(Makiko Igusa)
研究の概要:
朝鮮語の言語構造は、日本語にきわめて近く、日本人にとって最も学びやすい 言語である。しかし、音韻体系が異なるため、発音を習得するのが困難である。
マルチメディアを用いることによって、発音能力の習得をより効果的に行なお うとするのが本研究のねらいである。そのために、まず行なったことは、子音 と母音のそれぞれの音声的な特徴の分析である。その結果、子音の発音練習で は音声の波形を、母音の発音練習では口の動きの映像を提示するとともに、学 習者の発音の波形や口の映像をフィードバックさせることが有効であった。
子 音の波形には、子音の音声学的特徴が端的に現れており、また、従来の発音指 導の方法が映し出されており、発音練習をするときの重要な手がかりになる。 また、母音の発音の場合には、口の開き方が、非常に重要であり、それを明確 に示すためには口の動きを比較対照させることが効果的である。
このような音 声の視覚化は、発音の客観的観察を可能とし、また、反復練習を促すことがで きるため、発音の自己矯正に役立つことがわかった。