研究題目:
能動的タグを利用した実世界指向探索システムの研究
研究者:
新西誠人(Makoto Shinnishi)
研究の概要:
計算機の利用は多くのメリットを持つ。しかし、使用のためのユーザインタフェー スは多くの問題を抱えている。計算機を使用することで実世界オブジェクトを管理す る研究や位置情報を知ろうとする研究が盛んになっている。しかし、それらの研究で も達成できないことは多い。
実世界オブジェクトにタグを装着して計算機で管理する研究では、タグの位置が分 からなければ使用できない。位置情報を知る研究では、精度が荒いかシステムが大規 模になってしまうという問題があった。それで、計算機を使った、実世界オブジェク トの探索というのは困難であった。
本研究の成果を利用することにより、実世界での探索というタスクが容易になる。 また、使用に際しては大がかりな設備を必要としない。探索のために我々は多くの時 間を割いている。それは無駄な時間であり、創造的な時間であるとはいえない。そこ で、計算機を利用することにより、そのような無駄な時間を省くことが可能になる。 システムが将来的に小型化できれば、個々の実世界オブジェクトに本システムを装 着して、実世界オブジェクトがユーザに呼応するような拡張現実感システムを構成で きる。
将来的には、本システムで提案する手法が、ひとつのインフラとして定着し、個々 の実世界オブジェクトがあらかじめユニークにタグ付けされることにより、さらに本 手法を新しい分野に応用できると考える。
Abstract:
発表論文:
- 新西誠人, 安村通晃, 能動的タグを利用した実世界指向探索システムの 研究, ヒューマンインタフェース学会 論文誌 Vol.2, No.4, pp.303-308, (2000 Nov).
- 新西誠人,吉川 貴,安村通晃, iSpy: 音声情報を利用した能動的タグによる 実世界オブジェクト探索システムの提案, 情報処理学会 インタラクション2000, Interactive発表 (Feb. 2000).
- 新西誠人, 伊賀聡一郎, 樋口文人, 安村通晃, Hide and Seek: アクティブに応答するIDタグの提案, WISS'99, インタラクティブシステムとソフトウェアVII, (Dec. 1999).
- Shinnishi, M., Iga, S., Higuchi, F., Yasumura, M., "Hide and Seek: Physical Real Artifacts which Respond to the User", Proc. of SCI'99 (The 3rd. World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics) and ISAS'99 (The 5th. Int'l Conference on Information Systems Analysis and Synthesis), (1999 Aug).