時間展ウェブサイトの URL は 2009年5月31日をもって http://ylab.sfc.keio.ac.jp/jikan-ten/ へ移動します。
ブックマークをされている方はお手数ですが変更をお願いします。

空間から時間へ ~ 新しいデザインの発想

ユビキタスは、コンピュータの遍在という、空間的な普及の観点が強く、技術の進展には有利でした。しかし、「ユーザにとって」の視点を見落としやすくなります。たとえば、パソコンは人間がその前で使うことや、両手を使うことを強要します。その画面の中で動く多くのソフトウェアやサービスは、それだけをユーザに集中的に使ってもらうことを前提にしています。しかし、人々の生活時間は限られています。ですから、ユーザの時間を強要するようなデザインは、製品個別には使いやすくても、ユーザの生活の一部として考えると使いにくい、あるいは使えないものになってしまうのです。この解決には、ユーザの生活を中心に発想し、たとえば、活動の「すきま」や活動最中の「ながら」の時間を考慮しシステムのデザインをしていく必要があるのです。

私たちは、この視点がユビキタス社会の次のステップと考えます。つまり「ユーザの生活をどう構築するか」という、時間的な視点からの情報システムの普及を目指し、情報システムと人間が共生する社会の実現です。